Industrial Design Office   有)佐久間商品企画  

これまで新製品からマイナーチェンジ、大型バスから小型センサーまで500以上のプロジェクトに参画させていただきました。

当事務所の特徴

・ 販売、マーケティングを重視し理想像を共に考え、商品提案いたします。
・ 多分野にわたるデザイン経験、グッドデザイン賞7回、他デザイン賞多数受賞
・ 常に新たな視点からデザイン提案します

・ 一生懸命仕事します

市場に受け入れていただける商品を一緒に考えませんか。

代表 佐久間 保幸 

商品開発で大切なことは市場に受け入れられる商品を作ること。(当たり前のことですがこれが難しい)
そのためにはこれから開発しようとしている商品の理想像Xをまず始めに描くことが大切です。(コンセプトスケッチといったりアドヴァンスデザインといったりまちまちです)
理想像Xとは「これ欲しいッ!」と思っている集団が必ずいてその人たちが買う前からワクワクするもの。
手にとってまたワクワクするものでなければなりません。
その後、誰かに見せたくなったり、SNSなどで伝えたくもなります。
製作できるかできないかはとりあえず別として、あらゆる部門の人と意見を出し合い、重要度の優先順序をつけ、理想像Xを描く。
そして あたかもそれが実在しているかのような関係者向けのパンフレットやウエブサイトを作ります。
企画書やスケッチでは お客様と同じ立ち位置になって意見を出しにくいので不十分です。
ユーザーに渡すようなパンフレットであることが大切です。
そして本当に欲しいと思っているユーザーが実在しているかどうかを検証する。
実在しているようであれば具体的な設計に落とし込んでいく。
理想像Xを描くことができなければ、どんなに作りたくても開発を進めてはいけません。
この後の膨大な開発費が無駄になります。
販売へと結び付けても、アイデア倒れ商品となったり安売り競争に陥ったりしてしまいます。
すると安売りを望むユーザーだけが集まってきてしまいます。

「デザイン」というとファッションにはじまり、 自動車や家電、インテリア など華やかなものを考えがちです。
しかし どのような製品でも 量産品でありユーザーがいる以上、デザインするという行いは必要であり、理想像Xは必要です。
たとえ箱ひとつでも競合他社より半歩出るために必要になります。
様々な要求や難題が浮かび上がり、その都度変更も余儀なくされることはよくあります。
どのようにすればよい結論に結びつくかよく考えることが大切です。
そこにはある程度の「感」と検証が必要です。
理想像Xを描くことは開発の中で最重要工程 であり、明確な答えが出しにくい 最も難しい工程です。
5年ほど前から話題になっているデザイン思考 Design Thinking はこれに近いかもしれません。

デザイン思考 Design Thinking って何?

最も明快にデザイン思考を語ったエスリンガー氏

「デザインシンキングという言葉が流行していますね。皆さんの中で、さあ!このプロジェクトはデザインシンキングでやってみよう。といって進めた方はいらっしゃいますか?挙手してください。」とフロッグデザインの創始者ハルトムット・エスリンガー氏が200名ほどのセミナーで質問を投げかけました。
多くの方が手を上げるのを見た後、氏が言いました。
「何か考えるときわたしはいつもそのように考えてきているので何がデザインシンキングだかよくわからない」
と言いましたが、まさにそのとおりだと思います。
とりたてて特別な思考法ではないと私は思います。

「ラーメン屋を開業しても、デザインで得たことは役立つ」
とウルム造形大学(ドイツ・バウハウスの理念を継承した大学)出身の教授から教えを頂いたのは40年も前でした。
メニューや店舗の見た目を美しくするといったようなそんな単純なことではないことは学生にも理解できました。
多くの企業がデザイン思考という発想法を取り入れ始めました。
デザイン系ではない、一般大学でもカリキュラムの中に組み込まれ始めています。
なぜこの時代になって取り上げられているのでしょうか?
それはこれまでの方法では人の心を捉えきれなくなっているからに他なりません。
心の充足感を満たすことがプロダクトやサービスに求められている時代に、数値を追求してもその結果を得られないことに気がつき始めました。
理論だけで作られた曲や絵画が人の心を捉えられないことに似ているかもしれません。

デザイン思考を私は以下のように解します。

「時代に即し、ユーザーのワクワク感を作り出す問題解決法」

現状分析し、問題点や利点を理解した後、解決策を描き、そして試し、繰り返す。
ビジネスマンなら誰もが行う方法ですが、そこにプラスして、
その結論が本当に時代の求めに応じているかどうかです。
そして、時代の求めは大きく変化してきました。

■ 第1ステージは生産能力の向上
1960年~1975年
戦後の高度成長時代のころ。
このころの目的はいかに生産性を上げる方法を見出すかが理想像Xでした。
理想像Xによって企業は工場を増設して生産力を向上してきました。
社会も潤い、結果としてユーザーをワクワクさせることができました。。
生産性を上げることに向けて思考していくことがデザイン的思想であったと思います。
なので十分時代に即していました。

■ 第2ステージは性能や精度アップ
1970年~1985年
生産性向上が落ち着き、いかに性能や精度を向上させるかが理想像Xでした。
必要以上の機能アップでさえも魅力的に感じ、ユーザーをワクワクさせました。
より高機能な商品を持つこと自体がひとつの目的でもありました。
より数値を上げることなのでこれも時代に即しています。

 1985~スタイリング・カラーリングの時代

■ 第3ステージはスタイリング、カラーリングの向上、そして個性化
1985年~2000年
生産性、性能、に加え美しさや個性的に作り上げることが理想像Xでした。
日本では見た目だけをデザインという風潮がありますがそうではありません。
ユーザーはワクワク感をメーカーのお仕着せではなく自ら選択できるようになってきました。
これまでの数値追及は徐々に時代に即さなくなってきました。
自分の生活に適合したものがよい商品と思うようになりました。
持つことよりも自分を演出してくれるかどうかが時代に即していることとなりました。

山形チノー㈱殿 ジャパンエステティック協会㈱殿 伊藤超短波㈱殿 ヤング産業㈱殿 タイテック㈱殿 三菱重工㈱殿 マツダ㈱殿 三菱自動車㈱殿 アイホン㈱殿 ㈱ドリーム殿

インダストリアルデザインという職種はまだあまり馴染みがありませんでした。
この頃、デザインに関しての主担当者様は企業の課長職が多かったように思います。
センサー機器、美容機器、自動車関連、クルーザーなど様々な開発に携わり多くの商品開発を経験させていただきました。

 2000~マーケッティング主導の時代

「製品を単品ではなく総合的にまとめていく」・・・より個性的に、企業の製品ポリシーを表現する時代。
単品では企業イメージを伝えきれずシリーズや、他の製品との統一化で表現しようとしていた頃です。
マーケッティング主流の時代となりました。もちろんスタイリング、カラーリングは熟考されています。
この時代には製品全体を管理している部長さんとのお付き合いが多くなってきました。

東洋農機㈱殿     ムサシノ科学工業㈱殿     マツダマイクロニクス㈱殿     ミズノ㈱殿

 2010~企業イメージ構築・共有の時代

■ 第4ステージは共有
2010年~
「あの企業のあの考え方が好き」SNSによって個々人が強い発言力を持つようになりました。
メーカーはユーザーと情報共有し、共存していく時代となりました。
ワクワク感はメーカー主導ではなくユーザー主導となってきました。

SNSにより個人の発言力が強大になり商品力もさることながら企業の個性やポリシーが購買を左右するようになりました。
「あの会社のあの姿勢が好き」と企業のあり方そのものを個人が評価するようになりました。
企業とユーザー共存の時代です。
こうなると経営のあり方を完全に理解しながら全体を見てデザインをしていく必要があります。
近頃、「経営とデザイン」をずいぶん耳にするよいうになりました。
経営者とのお付き合いさせていただくことが多くなってまいりました。

㈱チノー殿

日本ビーエフ㈱殿

㈱フナボリ殿

 今後の企業に求められていること

これからの企業に必要なもの・・・それは存在理由の明確化です。
どのような小さな分野でも、自社が存在する理由を明確にすることが大切です。
これはブランディングの基になります。
ブランディングとは企業の性格作りのこと。
目的はコアなファンを作ること。町工場でも上場企業でもそれは同じです。
目標はお客様や関係者が「ああ、あの○○の会社だよね」と口を揃えて言って下さること。
そしてそれが企業が「自社をこう思ってほしい」と考えていることと一致していること。
老舗企業ならば今のお客様がなぜ長い間ご愛顧くださるかを言葉にしてみる。
それがあたらしい創造を生み、新たなお客様も創出します。
「イメージ一新」とかいってせっかく築いた絆を壊してはいけません。
若い企業であるならば「将来どうありたいか」、お客様に「どのように思われたいか」を明確にすること。
それを製品コンセプトからパンフレット、ウェブサイト、店舗設計、社員の言動まで統一させる努力が必要です。
今のユーザーはともするとメーカー以上の知識と発信力をお持ちですからこれらがずれてしまうとすぐそっぽを向かれてしまいます。
これらの思いをギュッと詰め込んだのがマークなどのCI活動です。
しかしあんな小さなマークに全ての思いが込められて第三者にそれがわかる なんてことはあるはずがありません。
ただ、マークを作る過程で会社の存在理由を社員や経営者が議論して思いをひとつにわかりやすくいくことがとても大事なのです。
見込み客から顧客、常連客、ファンとお客様の気持ちを変えていく原動力となります。

商品はこれらの最重要に位置づけられます。
しかし物をもつことへの執着やこだわりが少なくなってきました。
自家用車や家を持つことも魅力と感じない人たちが増えています。
壊れてゴミとなってしまう製品は悪者でさえあります。
戦後成長してきたメーカーには厳しい時代です。
メーカーは物だけにこだわらず総合して感動するようなライフスタイルを提案し続けていかなければ生き残れなくなります。
物を製作することがメーカーの使命ではなくなりました。
こんな時代こそ物事を総合的に捉え提案するデザインプロデューサーが必要です。
それは企業規模には無関係です。

■ デザインに関するあらゆること、お気軽にご質問ください。